……魔族乱入でめちゃくちゃになった、あの裁判が終わって。私の元に、二組の面会希望者がいたようだ。
一人は、あの元婚約者。朝霧様。
そして、もう一方は……実の両親だった。
私の毒殺未遂が冤罪だとわかった今、謝罪と身元を引き受けに来たのだという。
だが、どちらの面会も拒否させてもらった。
何の考えも無しに、父親の言うことだけを鵜呑みにして、私の話も聞かずに牢に入れた人の謝罪なんて、受けるわけがない。
復縁だって、無理だ。
両親に関してもそう。娘の窮地にも駆けつけてくれないどころか、罰でも何なりとお好きなようにと、私を見捨てたのだ。
話すことなんて、もうない。
……だなんて、言ってみるけど。
面会を拒否した理由の本当のところは、そうではない。
『神術士になる』という私の一大決心が、彼らに会うことで揺らいでしまったり、邪魔されたり、無くなってしまうんじゃないかって。
また、言葉のひとつも出なくなるんじゃないかって。
それが怖くて、会わないだけ。
私は、神術士を目指すと決めたんだ。
もう……誰にも邪魔させない。



