「前を向けたら、今度は上を向け」
「上……?」
「……手の届くとこまで上がってきな?」
「……」
私も……聖威から見たら、凛とした姿に見えているだろうか。
……ううん、そんなわけがない。まだ始まる前だ。
でも、今は見えていなくても、いつの日にかは……。
掌に託された指輪を、熱を込めてそっと握る。
「ありがとう……みんな」
ありがとう、異世界の戦士たち。
私の……大切な仲間。
それから、私たちはしっかりと握手を交わしたのち。
その手を離れて、別れの時がとうとうやってくる。
「では達者でなー?あ、竜樹も次に会う時までには、も少しオンナ落ち着いてろよー?ぐふふ」
「あほ。妄想をどこまでも盛るんじゃない」
「ロリーはやべえぞ。犯罪犯すなよ?」
「今度は未亡人熟女越えて、老婆だな。オールラウンダーになれるぜぃ?いひひ」
「……うるっさいぞ!おまえらの俺に対する心象、いったい何なんだ!老婆に手を出すか!」
大変お世話になったはずの竜樹様への弄りも忘れずに。
ホント、あんたらは最後の最後まであんたらだったよ。



