「聖威……!」



……その一言が、私の胸を震わせて、熱くさせてくれる。

差し伸べてくれたその手は、心の底に沈んでいた願いも引き揚げて、掬ってくれるのだ。

きっと『夢』が叶う。そう、後押ししてくれる。



「聖威、ありがとう……」

「ホントのことを言ったまで。お礼言われるほどのもんじゃないさ」

「ふふっ」



そうして、私たちは笑い合う。

……この世界での戦いは終わりかもしれない。

でも、私たちの物語は終わらない。

まだまだ、これから。

そう思わせてくれて、勇気づけられる。



すると、そこで飛行船の扉がプシューッと音を立てて開いた。

そこには、聖威らと同じ、大防衛軍の軍服を着た背の高い女性が現れた。

金髪碧眼の綺麗な女性だ。

両手には……紙製の大きな箱?



「お、璃琉(りる)?どした」

「ちょっと副隊長?サハラが間違えてこの段ボール箱積んじゃったのよ。確かここに置いていくものでしょ?これ」

「おー。そうだった。っつーか、置いとけったろサハラ!あほ!」



扉の向こうに向かって聖威が怒鳴ると「すんませーん!」と、男性の声がした。