私の名前は、舞空(まいく)。



鳩槃茶(くばんだ)衆族の王である、鳩槃茶王の第四子、二番目の娘。

鳩槃茶衆族とは……天帝直属の配下、四天王が一人、南方将軍・増長天様の直属配下を務めており、神術と剣術を駆使した大兵団を以って、長年に渡り増長天様に仕えてきた『貴族』と呼ばれる身分の神族。

近年、神力を持たない『平民』という者が増える中、血統で神力を受け継ぎ、その力を研鑽し戦いに従事するのが『神族』。



私はその鳩槃茶衆族の王の娘……一応、貴族令嬢。

こんな手枷をつけられ罪人に仕立て上げられていても、仮にも『貴族』の令嬢なのだ。



鳩槃茶は身分の比較的低い貴族、下級神族。

順番でいえば、天帝→四天王将軍→天部衆・三十三天→天竜八部衆→貴族→神力持たない平民……鳩槃茶はこの末端の配下神族、貴族というやつ。

将軍配下の末端神族なので、治める領地は持っておらず、南方将軍・増長天様の治める領地内に拠点を構えている。



まあまあ、そこそこの生まれということです。



ーーーそんな私が何故、罪人として手枷を付けられ搬送されているのか。