「何よそれ。歯切れ悪いわね」

「まあ、あのパパコン男の狼狽えぶりには、私は満足したぞ?むひひひ……」

「そんなんでいいの……」

一人思い出し笑いをする聖威に、ガクッときた。

あんな中途半端でも満足したの、そうなの……あのねぇ。



そこら辺は本当にどうでもいいのだけど。

聖威がざまあとやらに満足したのなら、それはそれで良しとしようかな。



「でも、舞空。大変なのはこれからだぞ?」

「……え?」

「舞空の冤罪を理解して、婚約者がどう出てくるか?婚約破棄の白紙とか、復縁云々求めてくるかもしれないぞー?これもざまあのテッパンなんだけど?」

「……」

まあ、そこは想定している。一度は大々的に結んだ婚約。それを朝霧様一人の一方的な判断で勝手に破棄してしまったことには、韋駄天様もお怒りになるに違いない。なかったことにしてくれと謝罪してくるかもしれない。

私は……信用してもらえなくて、すっかり冷めてしまったし、他の女性を傍に置いて侍らせてる姿を見てしまったし、裁判で顔を合わせた時の態度ったら、もう幻滅だ。

私としては、復縁を求められてもお断りしたいところ。



それに……私は気が付いてしまった。

今の自分が何をしたいのか、何をすべきなのか。