視界が開けたその向こうは、天井だった。

しかし、あの古民家の古ぼけた白い天井でもなく、刺繍や装飾のあしらわれた随分と豪華絢爛な天井だ。

寝かされているこの場所も、体が埋まりそうなぐらいのフカフカの布団だった。



え。ここは、どこ……?



辺りは人の話し声や気配でザワザワとしていることに気付く。

この室内に何人か、人がいるようだ。

いや、それよりも。

あれから、裁判はどうなったのか。架威はどうなったのか。

裁判どころの展開ではなくなったが、何もわからない。

私は……あ、神力が底尽きて倒れてしまったんだっけ。

何がなんだかもう、どうなってしまったんだか。



そんな意識が戻って戸惑う私に気が付いた人がいた。



「舞空、気が付いたか」

「あ……聖威」



私の寝台の傍には、聖威の姿があった。

ずっと傍についてくれていたのか。

起きあがろうとすると、「いいからいいから」と制止される。



「ご、ごめん。私……」

「……全くだ!」

「へ」

「誰があそこまでやれと言った?!まさかの秘奥義で、人型魔族討伐する?!……秘奥義って何だかわかってる?命ぶん投げる捨て身の奥義だぞ!そんな無茶をしろと言った覚えはないっつーの!」

「ご、ごめん……」