すると、聖威の足元から『神々しい神力』が、ゆらりと天に向かって柱のように立ち昇っていた。

今度は、目に見えている。金の色をつけ、金箔を振り撒いているかのような、瞬いた輝きが。



そして、立ち昇る神力の隙間から、姿を現すものがあった。

神力の色と同じ、金の色をした……杖。

聖威の背丈以上ある細い線の杖で、聳える杖の上部先端には、虹色の大きな宝石と、幾つもの小さな輪が通してあしらわれた、大きなひとつの飾りの輪。



あれは……見たことがある。

かつて、天界にいたという【宿曜】の肖像画にて、全く同じものを見た。

【宿曜】の証であり、象徴ともいえる杖。



(星宿権杖……!)



それを、聖威が導き出して手にしている。

まさしく、自分が【宿曜】であると知らしめているようなものだ。



これで、架威もわからないわけがない。

と、思ったが。



「な、なぜ……何故、おまえがそれを!」

「これは【宿曜】の証……だから、私が【宿曜】だと言ってるじゃないですか。まだ御理解頂けないですか」

「な、何を……!」