「父には何度も抗議をした。しかし、【宿曜】の秘密どころか、次期当主の座ですらこの私に約束しようとしない。優秀な神術士で父より当主に相応しいはずのこの私に……!それなら、力づくで奪うまで!」
架威の語気が強まっている。過去の怒りを思い出しているのか。
しかし、それは逆恨みというやつで、何の正当性もない。
「力づくって……だから、だから貴方は自分の父に?」
「そうだ。父よりも私が【宿曜】に相応しい。だから、殺した。私の力を認めず勿体ぶっている者など、父でも何でもない」
「貴方はっ……!」
「しかし、殺した父は既に【宿曜】の力を持ってはいなかった。元々父は【宿曜】ではなかったのか、どこぞの誰かに力を手放したのか……」
だからか。
【宿曜】の力を持っていると信じていた父が、実は力を持っていないのか、誰かに明け渡したのか。
そして、今現在、どこぞの誰かが【宿曜】かもしれない。
だから架威は、神力を主としており、『聖域』に近い場所にいると言われる、星見を奉っているこの世界にやってきた。
【宿曜】を持っている者を探すために。



