私の心情を代弁したかのように、銀太さんの問う。不敬だらけだけど。
だが、天帝様はフッと鼻で笑った。
「こんなにも面白い茶番劇は久しぶりだ。まあ、その責を見届けるつもりで、我々はここでゆっくりと観戦させて貰う」
「……へぇー、そう。じゃあ、もう結界張るぞ?自分の身は自分で護れよ?自分の奥さんの身も」
「無論だ」
確かに。天帝様ほどのお強さなら、逃げるまでもないのかもしれない。この戦に加わったらむしろ、一人勝ち?
……って、そんな問題じゃない!
そんなやり取りをハラハラしながら見ていたが、しかし。
実は、私にもそんな暇は無いのだったりする。
私をこの魔族がうじゃうじゃと漂う大広間から逃がすために、傍では竜樹様が神術を駆使して戦ってくれているのだ。
術陣から繰り出す奥義の連発で、襲いかかってくる魔獣が、あっという間にバタバタと薙ぎ倒される。
というか、架威は【紫の門】からどれだけ魔獣を喚んだのだ。
「舞空、こっちだ!」
「はい!」
竜樹様の誘導で、大広間の出口へと駆ける。
あともう少し。



