だが、天子様は今の説得に何故か納得してしまったらしい。
「ぬっ……必ずだな?必ず俺のとこに戻ってくるな?」
「ええ、終わったらこのかっくいー歌舞伎ポーズ教えて差し上げますよ?」
「わ、わかった!」
天子様の返事と同時に、毘沙門天様が天子様を抱き上げる。
「覚えてろ!この性悪魔族めが!」と、捨て台詞を残して、天子様を担いで走り去ってしまった。
「坊っちゃんをたのんますーオヤジ」と、翼は手をヒラヒラと振って笑っていた。
さて、天子様も無事に逃げたところで……と、思ったら、銀太さんがいつの間にかそのすぐ傍にいる。
そこにいる尊き御方に「おーい」と声をかけていた。
そこには……神の威を代る尊き光、天帝様と天妃の舎脂様が、魔族の襲撃を受けているこの大広間に残っていたのだ。
この騒ぎに目も暮れず、二人揃ってちゃっかり寄り添って座っている。
……え、こんなに魔族だらけなのに、何で逃げないの?!危ないですよ!
しかも、その御方に気軽に「おーい」なんて!!不敬よ!
「このクソ世界の王様、何で逃げねえの?魔族大戦争中だぞ。魔族に襲われるぜ?」



