「へっ?!」



緊迫した場面のはずなのに、気の抜けた声で訊ねられてこっちも間抜けな声が出る。

この世界では誰もが理解している常識を逆に訊ねられたのだ。



「な、何って!」

「上級?……この世界では、神術士が格付けされてるのか」

「え?……格付けって、神術士は技術の程度と習得した技の数で、位が分けられているじゃないですか。下から下級、中級、上級。そして『禁呪』を習得した、特級……」

「位分けするほど、いるんだな。神術士」

「まぁー。この天界の対抗手段は、剣と神術しかないからのぉー。俺たちの世界では、神術士は絶滅危惧種だけど」

「えっ!」

俺たちの世界?神術士は絶滅危惧種?……この人たちは、何を言ってるの?



理解しがたい言動に、頭がこんがらがってクラクラしかけていたが、更にそこで。

彼らは、追い討ちをかけるような驚愕の一言を、私に放つのだった。



「それに俺たち、この世界の住人じゃねぇし」

「……はぁっ?!」



黒い翼の彼からの驚きの発言に、淑女らしくない返答をしてしまった。

この人たちは、この世界の住人ではない……?