やたらと光が強いのが気になって、思わず回廊の向こうに目をやる。

そこは庭園だった。真っ先に目に入ったのは泉。日差しが水面に反射していたから眩しかったんだ。

泉を囲うように、いくつもの花が咲き乱れていて、辺りには白造りの四阿がある。

綺麗に整備されていて、さすが善見城の庭園。……その一言に尽きる。



そんな庭園を横目に、回廊を歩き続けていると、突然、竜樹様が進めていた足をピタッた止める。

つられて私も足を止めてしまった。

……それも、そのはず。

突然の尊き御身分な御方の登場に、思わず息を呑んでしまった。

な、何故この御方がこんなところに!



「……天の威を代る尊き光、天帝様にご挨拶申し上げます。本日はこのような場にお越しいただき、有り難く存じます」



竜樹様が項を垂れて、片膝を付いたのを見て、私も慌てて膝を折る。

何故か、この回廊で鉢合わせしてしまったのだ。

この世界の統治者、天の威を代る尊き光、天帝・帝釈天様に……!



尊き御身分の天帝様と突然鉢合わせ、項を垂れて下を向いたまま、緊張のあまり心臓がバクバクしている。