私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。


魔族とは、魔界に生きる魔物の類。それが進化を重ねて強さを得て人の形となった。……人間や神族、『人』を喰らって。

残虐な気質を持ち、支配欲が強い。『人』という食糧を求めて度々この天界や人間界に侵攻を企む。



そんな魔族が……この天界に!



「あっ。あー……ひょっとして、俺見てビビっちゃってる?」

「へっ……」



横目で私に視線をやる彼。

気持ち怯える様子の理由を見透かしているかのように、不敵な笑みをニヤリと浮かべた。

……だが、その口からは予想外の台詞が。



「確かに、俺は魔族だけど。『人』を食べたことないからそうビビらんで?」

「へっ?」

「好きな食べ物は、グリーンサラダと仔羊のヒレステーキですっ!」



人を食べない……魔族?

好物、仔羊?!



そう言ってカラカラと笑う彼の横顔を見て、呆気に取られる。

人を食べない魔族?聞いたこともない知識に、本当か嘘かの判断が出来ず、訝しげな視線を送るが。

彼は、そんな私の視線なんて構わず、笑い続けていた。



「おぉーい、翼!まだかー?!」