「ふむ。なるほど。それにしても良い手を思いついたな。兄上は狡猾な知能犯だが、頭脳戦は得意じゃない。ゆえに公の場で糾弾は、有効かもしれない」
そう言って、竜樹様の案に感心するのは聖威だった。
「え?知能犯なのに、頭脳戦が得意じゃない?」
竜樹様の問いに、聖威は頷く。
「よーするに、狡い知恵は働くけど、元来あまり賢くないってことだよ。それに、兄上コミュ障だもん」
「こみゅしょう……」
「あー。人付き合いが壊滅的に下手くそってこと。ぼっちでいるのが好きなんだよ。故に対話、論争が苦手だ」
「ぼっち?」
「……独りぼっちの略!……それに、独りよがりな傾向もある。姿の成りすましは完璧でも、中身までは……公の場で糾弾すると、ボロがボロボロ出るかもな」
「そ、そう……」
また、怒られた。
だが、竜樹様は「なるほどなるほど……」と、何度も頷きながら、何かに納得しているようだ。
はて。



