それは、今までにない事例なのではないだろうか。
こういう事例を防ぐための法制度ではあるのだけど。
今までにないことを、今、成し得ようとしている?この私が……!
「……といっても、私刑を防ぐための法システムの存在を知らずに、堂々と私刑を言い放ってしまった特級犯罪人・架威の方に非はおもいっきりある。しかも、こっちは冤罪で非はない。この裁判は、はっきり言って出来レースみたいなもんだよ」
「できれーす?」
「……すでに勝敗が決められた戦いっていう意味だよ。んっとに、この世界の住民は横文字弱いな?」
聖威にズバッと指摘されて小さくなるも……いや、この天界には浸透してない言葉でしょ。竜樹様は人間界に出入りしてるから理解してるんであって。もう。
「だから、敢えてそこを突いて、私刑の件、被毒術式の件、持てるだけの全ての証拠を曝け出して、公衆の面前で糾弾してやる。……そうすれば?どうにもならなくなった架威は……どうなる?」
「……あぁ、そうか!」
「短ぱらなヤツなら、ブチ切れるだろうなー。暴れるか逃げるかするかもな」
「そう、そこがチャンスだ」
ニヤリと竜樹様が笑う。



