私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。


「ふーん、なるほど……。韋駄天サマに成りすました兄上は、その法律のシステムを存じなかったと見るよ。【擬態術式】はあくまでも『姿の擬態』のみ。本来の性格や知識までは擬態が出来ない。周りもビックリしたんじゃね?領主様の鶴の一声で罪も刑も決まるとか」

「このような制度が確立しても、身分が上の高位神族に堂々と指摘出来ないのは、昔の思想が今も根付いているからだよ。ましてや、天部衆の武官。周りも言いなりになるしかなかったんじゃないかな」

竜樹様、その通り。

韋駄天領、韋駄天城では、韋駄天様の言うことは絶対。親や息子でさえも逆らえない。シロでもクロと言えばクロになる。

気さくな韋駄天様自体はそうでもないのだけれども、その『天部衆武官・韋駄天』という高位な身分そのものが大きすぎて、周りが勝手に恐縮しているのだ。



「今回の私刑に関する異議申し立ては、俺が舞空の後ろ盾になる。……実は、こうなることも想定して、準備は進めてあるんだ」

「ふぉっ!抜かりないガキんちょだな」

「うるさいぞ。このコメディアン魔族!……まあ、後ろ盾になる俺にも後ろ盾がある」

「たっははー!」

おどける翼を、キッと睨み付ける竜樹様だが。

竜樹様が後ろ盾……天下の『天導師』が後ろ盾だなんて、申し分ないですよ。



しかし、この上ない後ろ盾を得て、私が申し立てる?

韋駄天様に?!