しかし、聖威のその一言で、おどけて騒いでいた空気がガラッと変わり、一瞬にして静かになる。
そう、私達は突き止めたのだ。
「あの韋駄天サマとやらは、特級犯罪人……我が兄、星宿院架威の擬態した姿だということが判明した」
……あの韋駄天様はニセモノ。特級犯罪人・架威だったのだ。
術式の綻びから波動を探るどころか、姿を現してしまった。
つまり、聖威の仮説通りということとなる。
「おまえらが去った後も混乱で騒ぐ中、韋駄天様……いや、特級犯罪人・架威は何もなかったかのように振る舞っていた。自分の起こした騒動なのに、まるで他人事だ」
「ほう?身バレしたにも関わらず、シラを切り通すワケね?」
竜樹様の報告に、翼は眉を顰める。
「そこは、他人との関わりや騒ぎ立てられるのを嫌う兄上らしい行動だ」
「騒ぎ立てられるのを嫌う、か。その割には、一族皆殺しなんて大胆な事をやるんだな?」
「……それだけ、聖域に、『宿曜』に執着してるってことだよ」
「……」
聖威のその一言から、先程、架威と対峙した時のことを思い出しては、背筋がゾクリとさせられる。



