「まあ、でもあの状態の姫君をそのまま放置してたら、命は危なかったけど……」

「おいおい聖威さん、何言いたいの。煮え切らねー!」

「うるさい!……よくやった!でも、心配するから無茶すんなっていいたいの!」

急に揶揄い混じりに話に割り込んできた翼に、聖威は恥ずかしそうに「あほ!」と翼の額をぺちっと叩いた。

「素直じゃねえな!」と、更に揶揄われると、更に力を強めた一発をバシン!とお見舞いしていた。

また、軽く始まった。

二人の戯れ合いを苦笑いしながら眺めていると、横で銀太さんも「あのなぁ……」と、ボソッと呟いた。

目が合ってしまうと、思わず二人で「ふふっ」と笑い合ってしまう。



「まあ、要はぶっ倒れるほど無茶しなくていい。俺たちがいるから。頼れ。ってこと」



俺たちがいるから……一人じゃない、今は。



そう言ってくれるって、わかっていた。

……というのは、私の自意識過剰だろうか。

でも……。



《よくやった!》



……この一言が、何だか妙に嬉しかった。