聖威の後に続いて、来た道とは逆方向。闘技場の裏の方だった。
無理もない。私達が来た闘技場の入り口の方向からは、この騒ぎに気付いて続々とやってきた人達が押し寄せている。
中には、沙那姫様や夜迦様などの、先程まで遠目から様子を観察していた面々もいた。
それを横目に、私らは翼を残して現場から離れる。
……わわっ。竜樹様もいる。
しかし、現場にはまだ翼が残っていて、架威と対峙しているのだ。
このままだと、みんなと鉢合わせちゃう!
竜樹様にあれほど大人しくしてろと言われたのに、まさかこんなことになるとは。
「ち、ちょっと翼は大丈夫なの?!竜樹様に見つかっちゃうよ!」
走りながらも、聖威の背中に向かって問う。
「……心配するな!ちょっと足止めするだけだから、テキトーに撒いてくるだろ!それに兄上だって自分の正体がバレるリスクがある。そんないつまでもドンパチしてないさ!」
りすく?どんぱち?イマイチ意味不明な異世界の言葉に首を傾げる。
でも、聖威の言いたいことはわかった。架威は、公衆の面前に晒されてまでも翼との戦いを続けていることはない、と。



