「……いざ、尋常に勝負……」
そして、同時に前へ飛び出し、互いに距離を詰めてぶつかり合った初撃は、今までにない大きい金属音がこの会場中に響き渡った。
観客の感嘆する声も、わあっと沸き上がる。拍手もパラパラと聞こえた。
……のだが、この試合の行方を見守るにつれて、誰もが言葉少なくなっていったのは、言うまでもない。
激しい刃の打ち合いがしばらく続いており、音は鈍く重く。半端のない迫力。
大きくぶつかり合って距離を取るも、その間合いにすぐに踏み込み追撃。
隙を突いたつもりが、いつの間にか防御の体勢を取られ、目にも止まらぬ速度で剣を弾かれる。
そして、また剣の打ち合い。黙々と。
攻防の刃を合わせる度に発する、重く大きな音。
神速、と表現したくなる程の身のこなし、素早さ。
素人目の私から見ても、この二人。剣を振るう力強さと速さが10歳の子供の力量とはかけ離れているのだ。
まるで、大人の一騎打ち、真剣勝負同等の迫力だ。
観客もそれがわかるからか、みんな次第に息を飲んで試合を見守る。場の緊張感もピリピリと高まっていく。
現役騎士団の兵も「おい、凄くないか……」と、漏らすほど。



