もちろん、弄るのダイスキな彼らも、それを見逃さない。
「うわっ。竜樹だ竜樹だ!……何カッコよくキメちゃってんの?!髪も丁寧にセットしてんじゃん!ぷぷっ」
「見違えるなぁー。女子たち沸き上がってるぞ。お手振りするから余計に」
「貴族ってカンジだな。気合い入れ過ぎじゃね?あの髪!女子、キャー言うとるやないかい!」
昨日の姿との格差に、聖威と銀太さんは口を覆って笑いを堪えている。
当たり前でしょう……ドリアやハンバーグに喜んでいても、竜樹様は尊い身分の御方なのよ。あれが本来の姿。
だが、翼は「……なぬっ!」と、声をあげる。目を見開いて、驚愕の場面を目撃したかのように。
「り、竜樹っ!……女!若いオンナ侍らせてるっ!筆下ろしの未亡人はどうしたぁっ!」
「わっ。本当だ。しかも、美人」
「同じ年頃ってのがリアルだな……」
「……」
房事教育の相手と、堂々と人前に現れるもんか。
正装でバッチリとキメていた竜樹様、本日は一人の女性と姿を見せていた。
お隣にいる女性は……天竜八部衆が一人、緊那羅王の御息女、蓮華様だ。



