こっちの言い分なんてひとつも聞きやしない。裁判すら行わずに勝手に刑を決めて、さっさと執行してしまった。
善見城の武官が私刑という、こんな勝手なことをしてもいいのだろうか?なんて違和感はあるけど。
でも、何をどう考えようが……私の置かれている立場に変わりはない。
(あぁ……)
齢16にして、追放の監獄送り。
私の人生、本当に何だったんだろうか。
(老師に、会いたいな……)
八方塞がりのこの状況で思うのは、八年前のあの件を最後に、私の前から立ち去ってしまった、暖かい大切な人のことだった。
頭の中でぐるぐると回る、追想。それは、幼少期の思い出にまで辿り着いた。
兵士団の訓練場の隅で、老師にこっそり神術を教えて貰ったあの日のことを。
『ーーねえ、老師!見てた?今の見てた?どう?』
『素晴らしいですぞ、舞空お嬢様!少しの指導でこんなにも術式が完成するとは!』
『ほんと?やったー!……ねえ、老師。今の私、どう?神術士になれるかなぁ?』
『なれます、なれますぞ!今の舞空お嬢様なら!』



