なのに、私に容疑がかかると、掌を返したかのように、あんな態度を取るなんて。
『父上の言うことは絶対だ!』だぁ?尊敬する御父上様の言うことなら、疑いもなく信じるんかい!嫁<大事な大事なお父様っていう男なんか、死んでも御免だ!
それに、何故、これ見よがしに牢獄に女連れて来るのよ!ふざけてるわ。芙蓉様も芙蓉様で、私が朝霧様と婚約したことを面白く思ってないのは知っていた。なので、この婚約破棄を好機とばかりに首を突っ込み出したのだろう。
けど、負け犬の哀れな姿をわざわざ見に来るなんて、趣味が悪すぎる……!性格悪けりゃ、化粧やドレスの趣味も悪いのか!不自然に濃すぎて花街の娼婦もビックリ……あら、失敬。
韋駄天様も韋駄天様だ。何で私が犯人だと即決するのよ。
偉ければ何を言ってもいいわけ?奥様に内緒で夜中に若い令嬢を屋敷に連れ込んでもいいわけ?……おっと、これは失言だ。
まさか韋駄天様の帰りが遅いと思ったら、そんな場面に居合わせてしまった。あの韋駄天様が色事とは……衝撃だった。
内心で散々愚痴を溢すが……そんな私の話に耳を貸す者はもう、誰もいない。
罪人の話なんて、聞く耳もないのだろう。



