小テストを受け取るときのちーくんの手、一瞬止まったし。

返された小テストと向き合いながら1人反省会が始まる。


【本日の成果】
良かったところ;なし
反省点;挙動不審。ビクついた。声が裏返った。言葉のチョイス。目以前にまともに顔を見ることが出来なかった。


反省点しかなくて穴があったら入りたい。


(・・・消えたい)


残りの授業はその事しか考えられず、上の空のまま終えた。
終わった瞬間友達の元へ駆け寄る。


「飛奈ちゃん、ゆめちゃん。もう終わった無理」
「よーしよし。さっきの今で何があったの?」


抱きついた私の頭を優しく撫でてくれるのは姫野(ひめの)ゆめちゃん。
高校からの友達だけど私とちーくんのことは把握している。
中3から付き合っている彼氏がいるのでちーくんに関しては害悪ではない普通のミーハー。
ヘアバンドがトレードマーク。


「さっきの小テストの丸つけのときか?別に変なところなかったぞ」