ただ確実にお互いのことはずっと認知しているわけで・・・。

この空間が気まずて気まずくてたまらない。

幼少期に男の子にからかわれたことから、相手が誰だろうが身内以外の男の人の前では硬直してしまう。


「じゃあ小テスト、隣の人と交換して丸つけー」


そんな状態なのに何食わぬ顔で先生はそう指示する。

手が震えながらも恐る恐る小テストを渡して、差し出されたものを受け取った。
顔は見れなかった。


(今の動き挙動不審すぎない・・・!?)


緊張で耳が赤くなるのを感じる。

これじゃあ完熟トマトだ。みっともない。

しかも無情にも採点した小テストを返すという動作が残っている。

先に丸つけを終えたちーくんはこちらの様子を伺っていた。

プレッシャーになるから極力見ないで欲しい。

いつもより丁寧に点数を書き終え顔を上げると、ちーくんがそっと私の小テストを目の前に差し出した。

それを受け取ると同時にちーくんは口を開く。