「生きていれば、なんだってできる。だな。」
「はい。生きていれば。」

鉄王はそう言って私に口づける。

「あーお父様がお母様に」
口に手をあてて恥ずかしがる子供たちに鉄王はふっと微笑みながらもう一度、景色をみる。

「生きていればこんなに幸せな世界がみられる。こんなに愛する人と。」
私は鉄王の手を握った。

世界は動き続ける。
幾度の困難にあいながら。

でも人々は立ち上がる。
再び立ち上がり進む力がある。

ひとりじゃないから。
生きているから。