翌日、私は朝から支度に追われていた。

簡略化した婚姻の儀。
衣装も私の体調を考えて、なるべく負担が少ないものを鉄王と富さんが相談をして用意をしてくれている。

「おきれいですよ」
富さんが完成した私の姿を見て、涙を流し始めた。
「この日をどれだけ願い待っていたか・・・」
言葉に詰まる富さんを私は椅子から立ち上がり抱きしめる。

「富さんの温かさに私はいつも救われて支えられています。本当にありがとう。これからも鉄王の隣で彼を支える私を、どうかそばで支えてください。頼りにしています。」
「・・・もちろんでございます」
私の言葉に涙を拭って頷く富さん。

「さぁ、鉄王がお待ちです。行きましょう。紅姫。」
「はい」