「…他には?他にはなんかされなかった?」

他に…

「ほっぺにチュー…」

思わず両手で顔を覆う。

「…されたの?」

こくん。頷く。

告白されたこと自体に隙は関係なかったとしても、ほっぺにチューは完全に私の見せた隙によるものだった。
したがってイチさんの隙だらけ、という言葉を否定はできない…

「…ふーん、俺の小夏に、チューしたんだ千葉くん」

何やら悪い顔をして呟くイチさん。

だから行かせたくなかったんだよ、と言うイチさんに、昨日の怖かったイチさんはヤキモチによるものだったんだと理解する。

「…ほっぺ!ほっぺにね!口じゃないです!」

「ほっぺだろうが口だろうが関係ない。好きな女が自分以外のヤローに触れられて、黙ってられると思うか?」

っていうかなに簡単に触らせてんだ、と両手で頬を挟まれる。