席に着いていただきます、と手を合わせる。

「小夏、目玉焼き何掛ける派?」

「あ、パンの時は塩胡椒派です!」

一緒、と言いながら塩胡椒を渡してくれる。
振りかけてひと口食べて感動した。
目玉焼きの半熟具合が神がかっている。

「…イチさん、サイコーです!」

親指を立ててぐっ、とするとイチさんが大げさ、とまたふっと笑った。

湯気が立ち上るマグカップにはココアが入っていて、それだけで嬉しくなってしまう。



全て美味しく頂いた後、一宿一飯のお礼にお皿洗いします!と勢いよく申し出れば、

「…一宿一飯って…連れ込んだの俺なのに、小夏はどうしてそんなに俺のツボついてくるの」

と、手の甲で口を押さえて、くっくっと笑っている。