「緒原さん、この資料を戻しに行くのを手伝ってもらえませんか?」

こっそり溜息を吐いていると、にっこり微笑んだイチさん、もとい柳部長が私のデスクまで来ていた。

「…うわ!は、はい!かしこまりました!」

柳部長がこんもり持っている資料の半分を請け負って、資料室まで向かう。

若干視線が痛かったけど、気にしない気にしない。

資料室は同じ階の突き当たり、左手側にある。

部長がガチャリとドアを開けてくれ、どうぞ、と先に促してくれた。

中へ入り、手に持っている資料を元あった場所に戻して行く。

「小夏、今日の歓送迎会、帰り車で送って行くから。1人で帰んないで」

「…へ⁉︎は、はい⁉︎」

突然の柳部長からイチさんへのスイッチチェンジ…

っていうかイチさん、ここに誰かいたらマズイんじゃ…!