湊の車に揺られ、30分もしない内に湊の家に着いた。
見たことのない建物に、足取りが止まった。
手入れされた広い庭に、大きな家。
それに、綺麗な花がたくさん咲いている。
「星南?」
立ち尽くしていると、湊は私と瞳を絡み合わせた。
「いや、ここに1人で住んでるの?」
1人に住むにしては広すぎる。
「そうだよ。ほら、まだ病み上がりなんだから早く中に入るよ。」
湊に、肩を抱かれながら私は中に入った。
白で統一された床や壁。
男性が住んでいるとは思えない程、綺麗に整っていた。
「星南の部屋は、ここでもいいかな?」
そう言われ、案内された場所は寝室の隣の部屋だった。
12畳くらいはある部屋に、私は驚きを隠せなかった。
それに今、なんて言った?
私の…部屋?
「えっ、今…何て?」
「いや、さすがに部屋があった方がいいと思って。
家具も新しくしたから、星南の好きなように使ってくれていいから。
それに、足りないものがあったら言って。」
「私の…部屋?」
「うん。年頃の女の子だからな。」
そう言って、恥ずかしそうに頭を搔く湊。
湊なりに、気を使ってくれたんだろう。
入院期間、湊が傍にいたとはいえ1人になれる時間がないと私も落ち着いてはいられないと思う。
それに、今までずっと1人で暮らしてきたから誰かと一緒に過ごすことに戸惑いがある。
「星南。一緒に暮らす以上、俺に気をつかったりしなくていいからな。
不便なことがあったら、すぐに言ってくれていいし何も我慢なんてしなくていい。
入院している時にも話したけど、俺は星南を信じるから。
だから、そんなに心配しなくていい。
頼って、甘えて、俺に自分の全てを見せてくれていいから。」
湊は、首に巻いていたネクタイを少し緩めてから私の顎をすくい、1ミリも外さない視線でそう話した。
私はただ、頷くことしかできなかった。
「よろしい。」
優しく笑顔になった湊は、廊下に置かれた私の荷物を部屋の中に運んでくれた。
「それから、星南。」
「何?」
「これは、主治医として話すんだけど…
朝の寝る前には、必ず吸入をしてほしい。
それから、聴診も。」
「えっ!そんなの、病院にいる時と変わらないじゃない!」
医者と暮らしいている人は、みんなそんなことをされるの?
「星南は、すぐに無茶ばかりするから心配なんだ。」
「そんなの…嫌…」
そこまで言いかけると、湊に唇を塞がれていた。
逃れることが出来ないよう、湊は私の腰を引き寄せ壁に迫られていた。
軽い口付けをされると、湊は舌を絡め甘い刺激を受け止めていた。
「星南…俺の話は分かったか?」
「…ん!」
途切れ途切れになる口付けの中、湊はそう話した。
そう話しながらも、私が対抗出来ないようにと指先と唇で全身に刺激を与えられ続けていた。
「…ちょっと…」
「ふふ。可愛い…」
完全にスイッチの入った湊のペースに、私は身を任せていた。

