今日は4月1日。今日から僕は、高校生。小さい頃からずっと見ていた恋愛ドラマのような、花の高校生活。しかし、僕が入学したのは…。
「新入生入場!」
 いかつい先生の野太い声で、呼ばれた新入生の僕ら200人。そして、それらを迎える、先生方。そして、先輩方600人。全員男。男子校。この光景は一生忘れないと思う。
「白石光!」
「はいっ!」
 これは寝てるから呼ばれたんじゃなくて、なんていうんだろ。名前を呼ばれて起立するやつ。その後寝て、母ちゃんに怒られたけど。
 目の前にある光景に驚いてはいるものの、勿論、自分で入学したんだから覚悟はしてきた。それなりに頭のいい学校だから、合格するために勉強もした。それでも、驚くんだから相当な光景なのは間違いない。多分みんな同じことを考えてるんじゃないかと思う。てか、みんな背でかくない?
 ここでみんなが思ってることを訂正したい。僕はモテないから男子校に来たんじゃない。正直、モテる。入学するまでに、彼女はいた。それに今もいる。だから男子校でも余裕と思ってこの高校を選んだし、その子のことが大好きだ。
 はっきり言って、結婚なんかしたくないと思っていたが、今の彼女、佐藤七瀬とは結婚したい。何ならずっと一緒にいたいとすら思っている。小学校入学から中学まで同じクラスで仲が良く、中学の卒業式の日に告白して、カレカノになった。まー簡単に言ってるけど、実際付き合うまで大変すぎた。まだ教えないけど。高校で仲良くなった友達との恋バナに使おう。男子校の恋バナって盛り上がるのかな。