棗ちゃんはステキな恋がしたい


ぶっ、と一斗がふきだす。

笑われてしまった。


「別に裏技でもねえだろ」


やっぱり一斗と話すの楽しいな。

次の席替えでは、また近くに戻れたらいいのに。



ところで一斗、ずっと握ってるね。

扇風機。



奪ったって行ってたけど、あとで返しに行くのかな。

持ち主のところに。


仲、いいの?


気のおける関係?


……わたしといるより、楽しい?



「使いてえの?」

「わっ」


扇風機をこっちに向けられる。