定期テストが終わり、水泳の授業が始まった。


「仮屋さん、速」

「綺麗に泳ぐよね」


屋外プールって新鮮。

これまで水泳の授業は屋内で受けてきたし、スイミングを習っていた頃もやっぱり屋内施設だった。


「メイクしてるんだと思ってた」

「すっぴんで天使」


家を出る前、坂田に日焼け止めをいつも以上に念入りに塗られた。


「にしても。スタイルめっちゃよくね」

「ああ。あんなに細いのに。なあ?」

「ラッシュガード脱がねーかな」


外で水着を着たのは別荘……

海に行ったときくらいかも。

あのときは坂田があちこちにパラソル立てていたっけ。


「気をつけて」


プールサイドにあがろうとしたとき、となりのクラスの女の子から声をかけられる。


「だ、大丈夫。泳ぐのは苦手じゃないの」

「そうじゃなくて。男子が仮屋さんのことえろい目でみてるから」