棗ちゃんはステキな恋がしたい



「朝から学校いるのってレアだね」


でもきっと、気まぐれな一斗のことだ。

途中でふらりといなくなっちゃうんだよね。


女の子に誘われて消えたりして。


……どこでなにしてるんだろう。


まさかとは思うけど。


学校では、してないよね?


き……キス……とか。



「朝から俺に会えて嬉しいか」

「えっ。うん!」


わたし、相変わらずクラスで一番話しやすいの、一斗だから。


「一斗が教室にいないと。寂しい」


一斗にとってわたしは、大勢いる女トモダチの中の一人かもしれないけれど。



「……どうしたの?」


一斗がそっぽを向いちゃった。


「一斗?」

「うっせえ呼ぶな」


なんで怒ってるの!?

わたし、気にさわる言い方しちゃったかな。