走り去ろうとする西脇さんの腕を、つかむ。 「なによ!」 「謝って」 「何様!? 一斗から愛されてるクセに……!」 「ミツルさんにちゃんと謝って」 「……は?」 「ケガしたのは、ミツルさんだよ。わたしじゃなくて」 「…………」 「あと。あなたじゃ、わたしを怖がらせることはできないよ」 「……え」 「今後、わたしや――わたしの大切な人に危害を加えようとしたら。わたしが許さない」