棗ちゃんはステキな恋がしたい



家に着いた頃には、すっかり夜だった。


おじさんは名前も顔も変えて、坂田が用意したお金で暮らしていく。


それをパパに知られたら坂田はどうなっちゃうんだろう。



いつか

一斗がわたしに言った言葉を思い出す。


わたしはヨゴレタモノを見たことがない……ってやつ。


全然そんなことない。


今日、目の前で人が死にかけた。


ううん。


死んだことになった。


その秘密を墓場まで持っていかなくちゃいけない。