たいしたことない用事に負けた。 なんだか複雑な気持ちになりつつ、坂田がわたしより優先するくらいだからパパからの命令なんだろなと納得もする。 「えーっと。……ミツルさんがいる病室は……」 あらかじめ聞いていた部屋へと向かう。 個室だ。 「……そんなにケガひどかったのかな」 軽症なら、すぐ家に帰してもらえるだろうし。 もう、起きたかな? コンコン、とドアをノックした――そのとき。 「た、助けてくれ……!」 中から救いを求める声が。 ミツルさんっ……!?