信じられない。


校門から下足場まで、あっという間に歩いて行けちゃうなんて。


本当に、みんな徒歩通学してる。


車で送ってもらったのは、わたしだけのようだ。


噴水も芝生もエスカレーターも見当たらない。


これぞまさに理想の――ううん、

思い描いていた以上の

スクールライフの幕開けだーっ!!!


「何組だった?」

「私、2組」

「一緒じゃん!」


クラス発表の掲示物をながめ、喜びあう女の子たち。

同じ小学校から来た友人同士だろうか。


わたしは、この学校に一人も知り合いがいない。


寂しくなんて、ないよ。

自分で決めたことだから。


……パパの反対を押しきってまで。