「坂田は誰の味方なの?」

「もちろんお嬢ですよ」

「信じられない」

「お嬢が彼の所持しているデータの抹消を願うのであれば今すぐ坂田が実行して差し上げます」

「え?」

「彼のパソコンに忍び込み。バックアップもろとも消し去りましょう」



それは頼もしいけれど、そんなことをすればミツルさんの精神的ダメージすごそう。



「ううん、消さなくていい」

「そうですか」



あのストーカー男、わたしの写真どのくらい持ってるんだろう。



「坂田は、わたしがミツルさんと結婚すればいいと思ってる?」

「お嬢の結婚相手について自分が口出しする権利もなければ止める権利もありません」

「……相変わらず薄情だね。一途との付き合いには口を挟んだクセに」

「坂田の願いは、ただ一つです」

「なによ」

「お嬢には幸せになってもらいたい」



坂田って、なんだかんだ憎めない。