棗ちゃんはステキな恋がしたい

わたしたちが惹かれ合っても幸せになれない。


ごく普通の中学生になって

とびきらステキな恋がしたいって、思ってた。



その相手が一斗なら、良かったのに。



「待たせろよ」

「ダメ」

「俺、本気って言ったろ。お前のこと」

「……なんで」

「知るか。お前しか欲しくねえんだよ」

「……バカ」

「あ？ 誰がバカだ」

「そんなこと言われたら」



わたしも、諦めたくなくなっちゃう。

どこかで期待しちゃう。



「なんだよ」

「……っ」　



わたしたちは生きる世界が違いすぎた。



「ナツメさん」