帰りたくない。
もっと一緒にいたい。
「ガム食うか」
「うんっ」
あと何回
どれだけの時間を、共に過ごせるだろう。
もしかしたら坂田は
わたしがまだ子供だから、今回のことに、目をつむってくれているのかもしれない。
それに、やっぱり
初めての恋――だから。
わたしが満足するまで
……ううん
心の整理ができるまで、待っていてくれているのかも。
「お前の家って。ここから遠いのか」
「うん。一斗は?」
「すぐ近く」
「そうなんだ。図書館のそばって便利だね」
「利用することねーし」
「そっか」
「ナツメに会えるなら毎日でも来るけどな」
またそうやってドキドキさせる!



