お願い、やめて。
「またそんな……慣れてる感じのこと、言う」
「そこに関しては過去を変えられるわけじゃねえから否定しねーけど。好きな女とするのは全然ちがうだろうな」
「……！」
「はやく俺のこと好きって認めろや」
これ以上、ドキドキさせないで。
「いいだろ」
「だ、ダメ」
「優しくすっから」
「やだ」
「そう言われるとしたくなる」
「あまのじゃく」
「ナツメの困ってる顔。すげーそそられる」
「こんな公衆の……面前で」
「誰も見てねえよ」
一斗の手が、頭のうしろにまわってくる。
「坂田が見てる！」
「ふーん。見せつけてやろーぜ」
やぁ～～っ！！！
「帰るか」
え？
「送ってくわ」
