「モニターおっきい! マイクがある!」
「そりゃあマイクなかったら歌えねーだろうが」
やってきたのは、カラオケ屋さん。
「部屋がいっぱいあったよ。 廊下が迷路みたいだったよ」
「迷子になんなよ」
「音がすごくおっきい!」
「もっとデカくもできるぞ」
「そうなの?」
「音楽とマイクのボリューム、そこまわして調節すんだ」
すごい、一斗はカラオケも慣れてるんだ。
同じ年なのに行動範囲が広いね。
「カラオケって家にあるのしかやったことないや」
「は? お前んちカラオケあんのかよ」
「……一斗は、ないの?」
「普通ねえだろ」
またズレた発言しちゃった。
「庭に池あったりすんの」
「あ……る」
「鯉が泳いでたり」
「泳いでる」
「豪邸だな」
普通は庭に鯉、いないの?



