まだ小さかった頃

何度か誘拐されそうになったことがある。


そのときは、きまって坂田がわたしを助けてくれたよね。



「おはようございます。寝不足ですか、お嬢」


一斗との付き合いに坂田が口を出してきたせいだ。

坂田はわたしになにかを隠しているような気がする。

それがなにか、見当もつかないけれど。