棗ちゃんはステキな恋がしたい



3人がベンチにかけジュースを飲んでいるその数メートル後ろで、わたしは、彼女たちの会話を盗み聞きしている。


あの子たちは……

以前掃除中に、わたしにトモダチ作りはできないって断言した子だ。



「てか。仮屋、しぶとくない?」


……わたし?


「クラス中の女子からハブられてなんで平気なわけ」

「となりのクラスの女子まで味方につけてたよね」


…………?


「上靴あっさり見つけられたし」

「男好きってウワサ流しても数日で消えちゃったね」

「平気っていうか自分が嫌がらせされてることすら気づいてない可能性ある」

「ああいう鈍いのにはさ。もっと徹底的にヤらなきゃダメだな」


なんの話をしているの?


「だからこそ。明日、この財布を仮屋の鞄に入れるんじゃん」