桜舞う、四月 「止めて」 「ですが。正門は、まだ先です」 「ここでいいの」 「では、教室まで自分が――」 「ぜっったいに、ついてこないで!」 わたし、仮屋棗(かりや なつめ)は "フツウの中学生"になった。 「なにかありましたら、すぐに呼んで下さい。秒で駆けつけますので」 「……心配しすぎ」 「くれぐれも、お気をつけて行ってらっしゃいませ。お嬢」 ――――ドキドキの学園ライフを手に入れるために。