彼に手を繋がれ引っ張られると弓道部などがある校門近くではなく裏門に行くと黒いスーツ姿でサングラスでいかにもヤクザ風の人が車の前で立っている





その車に彼が乗り込むと車の中から腕を引っ張られて私も一緒に乗る



「若·····これからどちらへ?」



「Bの1」




運転手のさっきの男の人が隣に座っている黒崎くんに呼びかけるそれに対して何か答えてるけど行き先がわからなくてとにかく変な事しないようにする




やっぱり少し緊張して黙って窓の外を見つめることにした



どこに行くのだろうか?




ここを出ると高級マンションの敷地内に入る····




15分くらいしたら




ここの都市の1番大きな高層マンションに着いた




黒を基調としたマンションでここら辺では高級マンションで有名なところのひとつ




運転手さんに扉が開けられ降りると
一応お礼をして出た




行く所々でチラチラと見られるけどこの頭に羽織っているタオルのせいだよね?



彼は一切気にしてないようで前しか見ていない




彼に連れられるがままついて行ってもう最上階の玄関の前だけど




いきなり男の人に家に入るのが抵抗があって少し足を止める




「いきなり家はあれだな?ちょっと待ってろ」




そうひとこと言うと彼はカードを通すと同時に女の人の声が聞こえてドアが開かれる




彼に に瓜二つですらっとした黒髪美人のお姉さんが出てきた




私に気がつくと彼と一緒で太陽みたいな笑顔を私に向け「こんにちは透の姉の瑞希です」と綺麗に微笑まれる




『こんにちは朝日真白です』




こんな姿で恥ずかしいけど挨拶は大切だよね




「姉さんこんなとこだとあれだから、中に通したら後はよろしく」




「お邪魔します」




「おいで真白ちゃん、」




そう言われるがままにお姉さんについて行くと入ってすぐの右の大きなくて綺麗で黒を基調とした洗面所に通される



「ちょっと此処で座って待っててね。ゆっくりしてて!すぐ戻ってくるから」




お姉さんはそう一言残すと·····どこかへ行ってしまった



五分くらいして帰ってきた時には大きなポーチを持っていた




「真白ちゃん?本当に名前の通り真っ白で可愛いね。」




そう褒められて少し照れてしまう




『お姉さんはとても綺麗です』




お姉さんは一瞬驚いて、嬉しそうに微笑んだ




「真白ちゃんタオル外してもいいかな?」




『はいっ·····』




鏡の前に自分のガタガタの髪の毛の姿が映りさっきのことが全て現実だったと思い知らされる




「ごめんね、勝手にさっき透に聞いてしまったの学校で色々あったんだね·····」





『もう大丈夫です。』




少し俯いて答える




「大丈夫なんか嘘だよ!こんな·····酷いこと大丈夫なんて言葉で済ませちゃったら」




お姉さんの言葉に枯れていたはずの涙がまた溢れ出してくる




優しい人達が多いせいかと涙腺が弱くなってるのかな




『はいっ·····グズっありがとうございます。』




本当は怖かった




大丈夫なんて嘘




透くんがいなかったらと考えるだけで怖くて今でもおかしくなる




泣いている私を彼女は「助けられなくてごめんね」と言い悲しそうに優しく微笑むと私の頭を撫でる



彼の姿が頭に浮かぶ



彼にも全く同じことを言われたから




兄弟ですることが一緒だなと思い少し笑みがこぼれる




少し落ち着気を取り戻し始めた頃、部屋の前で音がしたと思ったらお盆の上にお茶とケーキを持った彼が立っていて




泣き跡がついた私に駆け寄る




「姉さん何か·····」




『違うの·····お姉さんは何もしてないよ』




彼は何かを察して無言のまま部屋を出ていった




お姉さんを見ると口元に手を当てて笑っている




「透ったら·····心配症だなぁ·····でもほっとけないのは何となく私も感じちゃうかもね」




『へ?』




話の流れがよくわからなくて頭に?マークが浮かぶ




「とにかく!今日は髪の毛をどうにかしようか!私これでも一応美容師の資格もってるから安心して」




『はい·····お願いします』




「髪の毛これ以上短くするのはあれだから揃えてから1度考えよっか」




『はい』




よく泣いたせいか温かい空間に眠気が来てしまい気を失ってしまいそうになるのを何とか堪える




しかしいつの間にかに触られている髪の毛が気持ちよくて気づかないうちに眠ってしまっていた




トントン




布団が気持ちよくて寝返りを打とうとすると




横でふふっと笑う声が聞こえてビクッとなる




あ、やっちゃったここ家じゃない




横でお姉さんは微笑んでいる




「おはようもう7時半だから1度家に連絡·しよっか····」




2時間ちょっとも爆睡してしまっていた




そうだ·····楓と帰る約束·····



30分過ぎてるもう7時半だ·····




お姉さんに鞄を渡されてスマホを取り出すと




楓からの不在着信が30軒以上入っていた




帰らないといけないのにボタンを押す勇気が出ない




楓にこの姿を見られたら心配されるだろうし·····色々考えてたらわからなくなる




「ねぇ真白ちゃん。今日はここに泊まったら?」




「へ?」



思わぬ一言に驚きを隠せなくなる




「うちのところ両親別居でいないし他のことは一切気にしなくて大丈夫だから·····ここは一応楓の家だけど今日は私も泊まらせてもらうよ」




『でも·····』




「ね?」




綺麗な笑顔に押し負かされてしまった





『ありがとうございます。お世話になります』と座ったまま一礼する




そう言うと彼女は嬉しそうに微笑む




『じゃあ私夜ご飯の準備するからその間電話頑張ってね』





そう言いお姉さんは去っていった




私はスマホのボタンを押して楓にかける



プルルル·····プルル·····ピッ




『も·····』



「もしもし·····真白?!」





『うん、私だよ。ごめんね連絡遅くなって·····心配させてごめん·····今日は友達の家に泊まることになったから·····明日帰るね』





「愛達じゃないんだったらダメだ!迎えに行くよ·····場所は?」




『ごめん·····今日は帰れない·····また連絡するね』




ピッ·····




強制的に切ってしまった




心の中で心配させてごめんね·····と楓に言う




その時初めて起きてから鏡をみて自分の姿に驚く




髪の毛はボブに綺麗に揃えられていた




嬉しくて鏡向かって微笑む




トントン




『はいっ』




ドアから彼が入る




彼は制服から私服に着替えていて



大きめの黒のTシャツに半ズボン



いつもよりどこか
かっこよく見えて少しドキッとする




彼が私を見て口元に綺麗な手を当てて顔を少し隠す




『黒崎くんどうしたの?』




立ち上がって彼の元に寄る



急に抱き寄せられて頭を優しく撫でられる




気持ちよくて目を瞑ってい彼に体を預ける




「よく似合ってる」




『!ッ·····』




その一言に耳元まで熱くなるのを感じる·····



顔をさっきよりも強く押し付けて恥ずかしさを隠すようにし




『ありがとう』と言うと




階段からトンと物音がして彼と一緒に振り向くとお姉さんが立っていて




手を口元にあてながら「ごめんね邪魔しちゃって·····ご飯出来たらか呼ぼうとしただけなの」




ふふっと言い捨てニヤニヤしながら逃げていってしまった




人の家で私は何をしているのだろう




急に体まで暑くなり彼の表情を伺ってしまうけど





照れているのか?少しやらかしたと言う表情をして頭をぐしゃっとしている



「後·····お前のことは真白って呼ぶから·····真白も下の名前で呼んで」




初めて彼に名前だけで呼ばれて今まで感じたこともないような感情で胸のドキドキがこれでもかと言うほど刺激されてときめきが止まらなくなる




今考えてみたらお姉さんの瑞希さんも同じ苗字だから黒崎くん呼びは良くないよね·····




「早く呼んで·····」




『透·····』



「聞こえないよ」




絶対聞こえてる·····意地悪だ




『·····透』


と彼の服の裾をつかみながら顔を見上げて言う




「そこまでしろって言ってないだろ·····反則だろこれは可愛すぎる·····なんだよこの生き物は」




私も照れながらだけど微笑んで彼に手を引かれながらリビングの席に着いた




机の上にはもうサラダとカレーライスが準備されていた




「召し上がれ」




彼の一言で『え?』と私が声を漏らしてしまう




彼はそう思うよねよねって言う表情になる




隣に座っているお姉さんが私の耳元に横から手を当てて「実はね透が作ったの」




彼の顔を見ると困ったように微笑まれる



『いただきます』と言い食べ始める




『美味しい·····』




2人は私を見て微笑む




「よかった·····口に合わなかったらと思ったから」




「うちはねさっきも言ったけど親が別居でいないから各自で作ってるの!普段は私も違うマンションで1人で住んでるから」




『2人とも料理が上手なんですね·····私あまりしたことなくて·····』




「大丈夫よ·····透が料理できるし!分からなかったら私に聞いていいのよ?ふふっ」




『ありがとうございます。私も親はいるんですけど色々複雑です』




「聞いてもいいのかな?」




心配そうに聞かれたけどこの2人には打ち明けなければならないと思い今までの事をうち明けた




お姉さんも彼も真剣な表情で最後まで黙って私の話を聞いてくれた



「大変だけど·····大切なのはいつだって自分よ·····でもこれからは透があなたを守ってくれるから沢山頼るのよ」




「そうだな····」




自然と自分も気づかないうちに涙が零れてしまった·····




『ごめんなさい。ただ嬉しくて、2人は私にとって太陽みたいな人です』



「「····!·」」

お姉さんは顔が赤くなり、彼は少し照れている




お姉さん「ありがとう」




その後は喋りながらご飯を食べ終え、一番風呂を申し訳なかったけど頂くと





お風呂を出たらさっきプレゼントされた下着を着る




お姉さんが旅行用で揃えていた新品のものを譲ってくださった




もうひとつ
お姉さんに用意されていた大きめの黒のパーカーセットを着るけどダボダボ




そのまま洗面所を出るとリビングにいた2人は全く違う反応を見せる





お姉さんは嬉しそうに笑っていて
透くんは頬を赤らめている




「なぁ·····姉さん·····やってくれたね」




「あーあー!!何も聞こえない」




少しと彼が怒ってるようにも見えるけどこれは兄弟喧嘩なのかな




私は楓とは喧嘩はしたことがないからいまいち分からないけど少し羨ましく感じる





「早くお風呂入りな透」




お姉さんがそう一言言うと透は大きく溜息をつきちらっと私を見るとそのまま脱衣所に向かっていった




リビングに座っているお姉さんの横の席に座るとお姉さんが両手で私のほっぺをぷにーと掴む





『ねぇ今日はどっちと寝る?私?それとも透?』




当然透くんと考えていた私は勘違いで顔が赤くなる




お姉さんはニヤニヤしながら聞いてくる




「ねぇもしかして、透と寝る気満々だったりしてたり·····」




『ぃや·····ぁの·····その』





口ごもって上手く話せなくなる·····その通りだったから





「正直になっていいんだよ」




もうわかっているはずなのにニヤニヤと私を見てくる今のお姉さんはだいぶと意地悪だ




『透くんと·····寝るつもりでした·····』




ガチャ·····




後ろから音がして振り向くと透くんが顔を真っ赤にしてたっていた




カァ///




顔が茹でたこ状態になり顔を両手で隠す




「その·····ただそこに置きっぱなしのパーカーを取りに·····盗み聞きのつもりじゃなかった····




「とりあえず姉さん呼んでおいて悪いけど·····俺が風呂出たら舞達と下で泊まって。



部屋余ってるだろうから·····急に来てもらってまた返すのはあれだけど·····」





お姉さんは腹を抱えなが笑っているけどこっちは恥ずかしくて合わせる顔がないよ




少ししてから彼がお風呂から出てきたと思って振り向くと




ドキッと胸が高鳴る




色気が凄い·····




「おじゃま虫の私は退散します!」




「はいはい」




『色々沢山ありがとうございました!』




お礼を言うと彼女は笑顔で去っていった