扉から入ってきたのは楓ではなく·····




ずっと助けを求めていた彼だった·····



彼は私のロープを外し口元のネクタイを外す



『透·····!』




彼に抱きしめられ抱きしめ返す




また助けて貰っちゃったね·····



「無事でよかった·····」



彼果たしを抱き抱えると玄関で倒れている楓を足で蹴飛ばしてそのまま玄関を出ると



家の前に止めてある車に私を乗せてマンションへ戻る



もう時間は遅い·····




透·····に迷惑ばかりかけてる·····




部屋に入るなりお風呂に誘導され入る




お風呂から出て彼から借りたTシャツだけを着たまま出ると



リビングのソファーに座っていた彼に呼び止められ



彼の足と足の間にすっぽり入る·····



彼は手元にあるドライアーのスイッチを入れると優しく撫でるように乾かしてくれる




その手つきが優しくて気持ちよくてそのまま眠気を呼び起こす



『ねぇ····透·····助けに来てくれてありがとう·····』




「当たり前だろ····お前のこと離すなんて選択肢はないから·····」




何ですか·····その甘い表情は·····すごくドキドキする




『グゥ〜·····ッ』





私のお腹の音だ·····



恥ずかしくてお腹を抱え込むと彼はフルーツのいちごとぶどうを冷蔵庫から取り出すと私の前に並べる




彼はお風呂に入りに行ってしまって1人になる



彼が上がってくるまでの時間フルーツを食べながら今までの彼との時間を思い出す




彼との時間はまだ少ないけど·····これからどうドン増やしていきたい·····



今でもあの時あの瞬間彼がいなかったらと思うと怖くて震えてしまう



彼は私にとってヒーローだよ·····



お風呂上がりでまだ髪の毛を乾かしていない彼が出てくると



私も彼の髪の毛を乾かそうとドライヤーを片手に持ち「おいで」というように手を広げる



彼は優しく微笑むとソファーの下に座り私に頭を預ける




男の子は特に髪の毛が短いから乾かしやすい·····



分かってはいたけど思っていたより透の髪の毛がサラサラで驚く



女の子でもここまでサラサラの子は少ないよ·····



彼は「ありがとう」と言い立ち上がると私を自分の膝の上に乗せる




「·····」



「なぁ真白·····怒らないから本当のこと言って·····今日あいつに何された?」




「帰ってきたら告白されて·····断って抵抗したら無理やり押し倒されて襲われた·····」



簡潔に言うと透は納得してないように腕を私の肩につく




『·····あと·····キスされて胸とか足とか触られた·····』



透が怒らないか·····不安で声が小さくなる·····




透はものすごい怖い顔をする·····




「あいつ·····もっとボコボコにするべきだったな」





『うん·····でも私は透が·····助けに来てくれただけでも十分だよ·····』




『本当に嬉しかった·····私·····本当に助けて貰ってばかりで何もお礼できてないよ·····』




透は口を綺麗な手で押えて笑う




「大丈夫だよ。これから沢山お礼してもらうから。ついでにお仕置も··沢山···」