この先、お兄ちゃんとどんな困難が待っているか分からない。

 でも、決してこの気持ちは変わりはしない……。

 お兄ちゃんは、言ってくれた。

 信じれば夢は叶うって……。

 諦めずに信じ続けた者だけが夢を叶えるって……。

 もう、一人で夜、泣きたくない。

 お兄ちゃんとあの空の向こう側へ、一緒に行くんだ……。



「若菜、そろそろ行こうか?」

「う、うん……」


 先に歩き出したお兄ちゃんを、小走りで追いかけ、淋しそうに揺れているお兄ちゃんの左手を、両手でそっと掴まえて、ふたり顔を向き合い笑いながら、また一緒に歩き出した。


 お兄ちゃんと一緒なら、きっと夢は叶う……。

 お兄ちゃんと一緒なら、きっとどこへでも行ける……。

 どんな困難があっても、きっと行ける……。



 まだ、誰も見たことがない、




 あの空の向こう側へ……。